勝てる相手だったオーストラリア。 津久井選手のラストパスは観察力と高い技術が光った。 次のイタリア戦はレッグタックルを徹底すればきっと勝てる! | ラグビージャパン365

勝てる相手だったオーストラリア。 津久井選手のラストパスは観察力と高い技術が光った。 次のイタリア戦はレッグタックルを徹底すればきっと勝てる!

2017/08/20

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


こんにちは、翔太です。サクラフィフティーンのオーストラリア戦は残念な結果でした。僕はJスポーツで解説させていただいたのですが、つい言葉に力が入ってしまいました。十分に勝てると思っていたし、実際、いいプレーもたくさん出て、勝つ可能性のある戦いだった。それだけに、解説する言葉もつい激しくなってしまって、中には特定の選手に対して厳しい言葉を投げ付けているように感じられた方もいらっしゃったようです。なにぶん、言葉を選ぶと言うことが苦手な性分で、しかも代表の試合となると、どうしても力が入ってしまうのです。

勝つチャンスが十分にあったオーストラリア戦・着実に低いタックルを繰り返していれば、相手を消耗させて、勝つ展開に持ち込める。サクラフィフティーンはそこまでベーシックな力を高めてきた

放送の中で、高いタックルに対して厳しい言い方をしてしまったSO山本実選手は、いいキックも蹴っていたし、受け手が前に出るようなパスも上手い、才能のある選手ですが、この試合に関しては高いタックルが目立ってしまった。

ただ、結果的に彼女がファーストタックラーで目立ってしまった場面が何度かあったけれど、他にもタックルが高い選手はいた。全般的にバックス、特にSOと両CTBのフロントスリーは高かったですね。

これは、加藤慶子さんがケガで、冨田真紀子さんが出場停止処分で欠けてしまった影響があったかもしれません。授業料は高かったですが、今回は才能ある若い選手が、貴重な経験を積んだのだと考えたいです。

 


しかし、オーストラリア戦は本当に惜しかった。勝つチャンスは十分にありました。オーストラリアはサイズがあって攻撃力のある選手がそろっていたけれど、ディシプリンとフィットネスに欠けるところがある。後半、14−19の5点差に追い上げたところまではスコア上は予定通りだったと思います。

ただ、互いの状況は計算と少し違っていた。残り20分の時点で、オーストラリアは意外と消耗していなかった。日本としては、レッグタックルで相手を倒して、大きくて重い相手に、倒れて起きる、方向転換して後ろに下がる……といった、細かい動きをさせて消耗させたかったのですが、そう出来ていなかった。

単純にぶつかりあって、まっすぐ前に出させたら相手は消耗しないし、こちらは消耗してしまう。そのためにも、ボールをつながれてもいいから下に入って転ばせる、最悪トライを取られてもずっと下に刺さり続けていれば、最後には向こうが走れなくなるはずでした。重い側に転ばせれば、こちらはボールを持っていなくてもコンタクトシチュエーションを支配できる。その状況を70分かけて作れば、ラスト10分で逆転できる――それがサクラフィフティーンの戦略だったはずです。

 

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